ことあるごとに、
会社に対して愚痴をこぼす社会人は多い。
これがまだ正社員ならば愚痴で済むのだが、
今の世の中、労働者の4割近くは非正規の時代。
ボーナスが出るわけでもなく、
一寸先の雇用すら保証されない
立場の人たちにとっては、単なる泣き言
では当然済ませられなくなってきている。
たとえ正社員であっても、
従来のように社畜として会社に
ぶら下がり続けるような事は、最早出来はしない。
大企業も簡単に傾く時代。
能力のないものは簡単に切られるし、
会社自体に生き残るための体力がなければ、
何の意味もない。
収入の減少は、もはや全国民の身近な死活問題だ。
成熟し尽くした日本経済において、
いくらこの先景気が回復したところで、
従来の枠組みでは、もう右肩上がりの収益曲線は望めない。
グローバル化が猛烈なスピードで進む中、
今後も日本人労働者の賃金が下がり続けるのは
ほぼ間違いない。
「こんな給与じゃ暮らしてけない」
「時給を上げて欲しい」
俺もその立場であったし、
こんな世知辛い世の中だから、
愚痴りたくなるその気持ちはよくわかる。
「じゃあ、なんで時給上げてくんないの?」
労働者からすればもっともな話だ。
…が、実は話はそう簡単ではない。
なぜなら経営者からすれば、
賃金を上げるということは、
即会社の生き死ににも繋がりかねない
重大な決断だからだ。
企業が払える人件費は有限で、
最初から決まっている。
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その有限の人件費を
みんなで分け合っているのだから、
1人の賃金を上げれば、
必ずその分どこかで削らなければ、
経営は立ち行かない。
一人ひとりの賃金を引き上げれば、
当然雇える数が減る。
辛いのは労働者だけではない。
経営者も同じ人間。
家族があって生活もある。
当たり前の話だ。
結果的にしわ寄せを受けるのは、
本来手を差し伸べるべき社会的弱者。
今後は弱者こそ、
生き抜くためのスキルが必須となる。
こういった矛盾も社会の闇。
世の中には、光もあれば影もある。
来たるそのときに向け、
今から出来ることを始めて欲しい。