スキャルピングやデイトレード。
超短期で売買を繰り返す手法は、
今も昔もとても人気がある。
それは、、、
好きな時間にパパッと稼げて、
損切りだって浅くて済み、
勝率だってべらぼうに高い。
そんなメリットばかりが強調された
セールスレターやキャッチコピーに
よるところが、あまりにも大きい。
「何でみんな短い足で取引しないの?」
そんな声が、当たり前のように
あちこちから聞こえてくる。
今日は、そんな世間の声に逆行し、
なぜ俺が短期取引の手法をおすすめしないのか?
その理由を書いてみる。
1.規律を守れない
兎にも角にもスキャルピングやデイトレは、
素早い反応が求められる。
ルールを設けて守ろうとしても、
一瞬の気持ちの揺らぎ、判断の遅れが
即規律の違反に繋がる。
スイングのような長期の取引では
鉄の意志を持つ人が、短期の取引では
いとも簡単にルールを破るのはよく聞く話。
それだけ人は、短時間での判断では
冷静さを失いやすく、感情に支配されやすい。
また、たとえルール通りトライできたとしても、
スリッページで約定しなかったり、
スプレッドが開いて勝つべきところで
負けてしまったりと、手法としての再現性が
イマイチで、心的なストレスも溜まりやすい。
加えて、裁量による判断が必ず存在するので、
確固たる優位性が立証しづらいのも特徴の1つ。
2.ポジポジ病や飛び乗り病が発動しがち
一瞬の判断が全ての超短期取引では、
常にチャートを見つめ、凝視する必要がある。
画面の前に張り付いていなければ、
まったく気にもならないシーンでも、、、
ちょっとだけ上がるだろう!
ちょっとだけ下がるだろう!
こういった飛び乗りトレードが当然出てくる。
「数ピップスでいいから…」
「後1回勝てば勝ち越せて終われる…」
そんな些細な出来心が、致命傷を引き起こす。
「今回だけ…」
「最後の1回…」
その小さな過ちが、
長年積み上げてきた全てを一瞬にして奪いさる。
それが、スキャルピングの恐ろしさ。
コツコツどかんの典型だ。
「せっかくここまで待ったのだから…」
「時間を費やした分の成果が欲しい…」
そんな思いは相場には通じない。
超短期取引で生き残るためには、
強靭なメンタルも必須となる。
真のメンタルが身につかないうちは、
諸刃の剣である事を常に忘れてはならない。
3.意外なほどに拘束される日常生活
パパっとエントリーして、パパっと決済。
一般的なスキャルやデイトレのイメージは、
こんな感じだが、、、
実際は、そんな短時間で
取引が全て終わることはまずない。
というより、1回の利幅が狭いので
ある程度まとまった額を稼ぐとなると、
必然的にトレード数を多くこなすことになる。
完全な裁量トレードならば、
限られた時間内で一定数の取り引きも可能ではある。
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だが、ほとんどのトレーダーというのは、
自分の間合い(ルールの範囲内)にレートが
こなければ、取引をしないことが多い。
バシバシトレードを繰り返す、
大衆的なイメージと裏腹に、
意外なほどに慎重にその時を待つ
場面も多いのだ。
ただチャンスをうかがうだけ。
と言っても、そこはやはり超短期の取引。
集中して画面を見ていなければ、
機会損失が生じてしまう。
実際俺は、数年前まで実家の
自分の部屋でトレードしていたわけだが、
なかなか集中することが出来なかった。
ちょっとした細切れの時間で取引しようとしても、
風呂や食事、郵便物や家族の出入り、
些細な用事でことごとくチャンスを逸した事もある。
スキャルやデイトレだからと言って、
大幅に拘束時間が減るかといえば、
そうとも言えない。
むしろ逆にスイングのような長期のトレード方が、
ほったらかしにできる分、肉体的にも精神的にも
楽な面すらある。
次の画像は、俺が2012年〜2014年まで
実際に行っていたトレード記録だ。
手法としては5分足を用いたデイトレード。
かなりエントリーは厳選する手法だったので、
取引回数は多くても1日2〜3回程度。
それでも3通貨分チャートを
見ていけなければならなかった。
毎月安定した利益を上げてはいたが、
自由な時間はそれほど取れなかったという経緯がある。
もちろん、トレードが三度の飯より大好きで、
なーんも苦にならない人なら全くもって問題ない。
だが、俺のように相場も好きだが、
ビジネスも好き。
気の合う仲間と過ごすのも、
趣味の格ゲーも大好き。
やりたいことがたくさんあって、
時間が全然足りない!
そんな人には、正直オススメしない。
もちろんスキャルやデイトレだから
稼げる稼げないという話でもないので、
ここに絶対的な正解などありはしない。
各人がそれぞれの生活スタイルや目的に応じて、
手法を選択すればそれで良い。
あなたが取り組みたい取引スタイルは何だろうか?
今一度、原点に帰って考えてみよう。