「権威」。
それは、 人を支配し服従させる強力な力。
多くの人が盲目的にその指示に従ってしまったり、
その意見に説得力を感じてしまうのは、
主としてこの「権威」に拠るところが大きい。
人は権威性のある肩書きや職業、
そして自分の理解の及ばない
知識や専門性といったものに非常に弱い。
人はそういったものに遭遇すると、
簡単に警戒心を解き、信頼してしまうという
傾向を誰もが持っている。
例えば、警察官。
どこから見ても「警察」だと一目でわかる
あの目立つ服装は、権威性を前面に押し出すことで、
犯罪や暴力の抑止力に一役買っている。
車の運転中に街中で警官を見れば、
誰もが反射的に速度を落とすし、
いつもよりもより慎重に運転する。
横断歩道に子供を見守る警官が立っていれば、
普段は信号など気にもしない側にいる
大人たちまでもが交通規則をちゃんと守る。
他でわかりやすい例としては、
医者などが典型的。
あの羽織るだけで信頼度が格段にUpする
「白衣」はまさに権威の象徴的存在。
医者というのは、服装はもちろんのこと、
知識や専門性、そして職業観といった
一般大衆が信頼しやすい要素を多分に
持ち合わせているので、
その影響力たるや計り知れないものがある。
昔、俺がオペ室(手術室)で看護助手として
働いていたときも、休憩時間に白衣を着て
外出するだけで、「先生」と声をかけられることが
何度もあった。
それも、患者さんからだけでなく、
面識のない看護師や臨床検査技師といった
病院関係者からもw
それだけ「白衣」の権威は、
チートレベルだということ。(笑)
じゃあ、実際にこれらの強力な権威性を、
どうマーケティングに活かせばいいのか?
先ほどの俺の例のように、
タレントや役者に白衣を着せて、
薬のCMなんかで信頼性をアピールする
単純なセールスの方法もあるが、
この「権威」の応用範囲は、
実はこういった狭い分野だけに
留まらないのが大きな特徴だ。
例えば、テレビショッピングなんかでは、
芸能人が自らの体験談を語る事で、
商品に付加価値を与え、魅力的にみせている。
これも立派な権威。
ビジネスの商品であれば、
著名な成功者の名前を引き合いに出してみたり、
有名な言葉や名言を引用する事で、
購買心理をくすぐる事が可能だ。
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俺の場合も、このブログでは「情強社長」
なんていうこっ恥ずかしい命名で、
実は権威付けを意識していたりもする(笑)
重要なのは、実際には権威性が全くない
人や物に対しても、十分な信頼性を
付与出来るという点。
これをマーケティングの際に利用すれば、
間違いなくお客さんの購買心理に
影響を与える事が出来る。
だがこの「権威」という武器は、
強力であるが故に、使い方を一歩誤れば、
単なる「偉ぶった勘違い野郎」に
即認定されかねない危うさも含んでいる。
攻撃力は高いが、雑に扱えば
たちまち自らも傷を負う。
まさに諸刃の剣。
大きな信頼性を獲得するはずが、
逆に信頼性を失墜させるような
事態に陥ってしまっては、元も子もない。
「権威」に限らず
こういった影響力の武器というのは、
使い手次第で善にも悪にもなりうる。
やはり最後は、
あなたが「大切なお客さんへ届けたい」
その強い気持ちがなければ、
決して相手の心には響かない。
せっかく用いるのなら、正しい使い方で
最大限にその性能を引き出し、
自分が買ってもらいたいお客さんのために
利用するのが賢い選択だろう。
ぜひ何か商品を販売する際には、
意識して「権威」を正しく活用してみて欲しい。