これまでに、期待値について
何回か記事にしてきた。
余り一般的には馴染みのない期待値ではあるが、
一旦身につければその応用範囲は驚くほど広い。
少しづつで構わないので、
徐々にでもその概念を腹の底から理解出来るまで、
是非学び続けて欲しい。
今日はそんなあなたに向けて、
わかりづらい部分を中心に、
Q&A方式で、期待値について解説してみる。
期待値Q&A
期待値が収束しない事ってあるの?
期待値の概念は、
統計学上、「大数の法則」によって
数式で論理的に証明されている。
“永遠に”収束しないことはあり得ない。
期待値がプラスのはずなのに、
マイナス収支のままなんだけど?なんで??
現状、収支がマイナスであるならば、
施行回数がまだ足りていないか、
単純に引き負けている(ツキ負け)かの
どちらかだ。
期待値というのは、収支が確実に収束する
母数や期間を導き出して、
それを約束するものでは決してない。
“その時”がいつ訪れるのかは未知数ではあるが、
母数が増すにつれて、
必ず収束に向かっていくのが期待値の概念。
今月、期待値を10万稼いだのに、
実際の収支は−10万だった。
この場合、期待値が収束して来月10万稼いだら、
欠損分の差額で2ヶ月分の20万に収束するよね!?
この考え方は、正しくない。
当たり前だが、前月1ヶ月の結果がどうであれ、
来月の期待値10万の価値は10万でしかない。
もっとシンプルな例として、
コインの裏表で考えてみよう。
例えば、コインを5回投げて
5回連続で表が出たとする。
この場合、5回連続で表が出た分、
次に裏が出やすくなるかといえば…
そう…ならない。
ずっと裏が出ていないから、
そろそろ表が出るだろうというのは、
単なる人間の認知的なバイアスに過ぎない。
裏が出なかった分の欠損は、
次の「コインの裏表」の施行に何の影響も及ぼすことはない。
これは、赤か黒の出目数字に賭ける
カジノのルーレット等も同じ。
赤が10回連続で続いた後は、
黒が出やすくなったり、期待値が上がるわけではない。
次に赤が出るか黒が出るかは、独立施行。
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常に1/2なのだ。
世間一般で言われている、
“期待値の収束”は解釈が間違っていることが多い。
まとめ
「期待値の収束」に関しては、
非常に分かりやすい例を、
画像で貼ってあるブログがあったので、
引用させていただく。
引用元:期待値の理解を深める
まずこの表の上のグラフを見て欲しい。
A,B,Cのシュミレートは、
どれもプラス10万(同じ期待値)を持っている。
横軸が「台」になっているが、
「回数」と置き換えてもらえればOK。
タテ軸が「収支」(期待値)を表している。
50回施行の段階では…
シュミレートCはこう言うに違いない。
「期待値10万稼いだはずなのに。。。」
「−10万負けた。詐欺だ!」
「期待値なんて嘘っぱちの理論だ!」
だが、次に下のグラフを見て欲しい。
1000回施行の段階では、
最終的にシュミレートBを上回る形で
収支が落ち着いている。
期待値が収束しないというのは、
短期的なブレの範囲内の事象であり、
大局的には施行回数が増せば増すほど、
目立ちにくくなっていく。
要は、マクロな視点から見れば、
施行回数をこなせば必ず期待値は収束する。
一見、していないように見えるのは、
あくまでミクロな視点から見た場合であって、
大局的には取るに足らない誤差の範囲内だということ。
この部分は、パチンコ・FX問わず
期待値を学ぶ上で特に重要なので、
必ず抑えておいて欲しい。